短編怖い話「私が知らないおじさん」

小学生の頃、母によく言われていた。

「知らない人について行ったらいかんよ」

ある日、学校から帰る途中、公園の前で知らないおじさんに声をかけられた。

「○○くんやろ?」

なんで名前知っとるんやろと思った。

少し警戒してたら、おじさんが笑った。

「覚えてないかー。小さい頃、何回も会っとるんやけどな」

結局気味悪くて、そのまま走って帰った。

家に帰って母に話した。

すると母の顔色が変わった。

「どんな人やった?」

特徴を話したら、母は黙った。

その日は何も言わなかった。

何年かして大人になってから、あの時のことを聞いてみた。

母は少し迷ってから言った。

「……あんたが小さい頃な」

「毎回、迷子になるたびに“あのおじさんが連れて帰ってくれた”って言っとったんよ」

「でも誰も、そんな人見たことなかった」

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